2016年08月17日

ストリート・オーケストラ


全世界からスポーツの選手が集まり、競技で熱い戦いが行われ
ているブラジルのリオ。でも、オリンピックが開催されるまで
は、政治の腐敗などで本当に開催できるのか危ぶまれていました。

それというのも、ブラジル国民の多くが貧困と暴力の状況下に
置かれ、これらの人たちにとっては、華やかなオリンピックな
どは別世界だったからです。日本選手が活躍している競技をテ
レビで見ていると、観客席に空席が目立ちます。

主宰するブラジル政府やリオ市は切符は完売していると言いま
すがそのような雰囲気はまるで感じることができません。

そのような時にタイミングよく日本でも公開されたブラジル
映画の「ストリート・オーケストラ」は、予想以上にブラジル
の下層社会の実情をリアルに描いたものです。

サンパウロ交響楽団のオーディションに落ちてしまったバイ
オリニストのラエルチ(ラザロ・ハーモス)が生活のため、
サンパウロのスラム街にある学校でバイオリンを教える道を選択
しますが、バイオリンなどに触ったこともない子供たちの無作法
な行動に度肝を抜かれます。しかし、情熱を持ち続けながら
地道に指導を行っていくうちに子供たちは音楽の魅力を発見し
その虜になっていきます。

劣悪な環境の中でバイオリンの練習をする子供たちの姿は、現
実のブラジルの一面を描写したものであり、家庭や日常生活で
問題を抱えている子供たちは音楽などを楽しむことも許されな
い状況下にあります。

それでも女子生徒の「親には無視されているけど、ここ(楽団)
では『私達にも価値がある』って思える」という叫び声や「俺
のなかには獣が棲んでいるけど、バイオリンを弾くときはそれ
が少しだけ鎮まるんだ」といったセリフが、音楽を本当に必要
とする子供たちがここに存在することを訴えかけてくれます。

「恵まれまい人や苦しむ人にこそ音楽が必要である」というメッ
セージが込められた秀作と言えます。
彼らがスラム街の一角で弾く「マタイ受難曲」の旋律に思わず
胸が熱くなります。

音楽教育プログラムの組織『エル・システマ」の創立者が語っ
た「音楽で精神的な豊かさを手にしたとき、貧困が生む負の連
鎖が断ち切られる」という言葉が現実となって全世界に普及す
れば、戦争も起きないのではないかと思いを、音楽を愛好する
一人として強く感じました。


セリジオ・マシャード監督

ヒューマントラストシネマ有楽町などで上映中

公式サイト:http://gaga.ne.jp/street/


マリオ&ソニック AT リオオリンピック -
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こどもオリンピック新聞 アテネからロンドンまで -
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posted by 演劇部員 at 11:45 | 外国映画情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする